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思春期には特徴的な病態・病状があります。ただ、思春期という時期であるがゆえ、 複雑化することが多く、またお母様との関係も大きく影響してくることも確かです。一般的には、色々と治療法や対処法の情報が氾濫していますが、まずはじっくりと自分を見直す時間をとってから治療を進めていくことをお薦めいたします。そのためのお手伝をさせていただくこと、また治療には身体に優しい漢方を主体に進めていきますのでご安心ください。
思春期の女の子は心と身体の変化についてゆけず、精神的に不安定になってしまったり体調を崩してしまいがちです。
私が今まで思春期外来で診察してきた患者様の多くは、その背後に精神的な要因が大きく関与し、またお母様がどのようにかかわっているのかで、問題をより複雑化してしまうこともあります。
私はお母様と一緒に来院されておられることが大半ですので、どのようにご本人のこと、症状・病状などをどのように捉えているかをお聞きします。なにより、自分の心と身体を理解していただくために、ゆったりとしたカウンセリングが必要です。
診察スタイルは、まず初診の場合はお話をお聞きし、ご本人の状態や症状の程度などを相談しながら、診察方法・治療方針を決めてゆきます。場合により超音波検査や採血などの検査を実施したり投薬にて治療してゆきます。原則的には内診はありませんので安心して来院していただけますようにお願い申し上げます。
思春期には特徴的な病態・病状があります。ただ、思春期という時期であるがゆえ、 複雑化することが多く、またお母様との関係も大きく影響してくることも確かです。一般的には、色々と治療法や対処法の情報が氾濫していますが、まずはじっくりと自分を見直す時間をとってから治療を進めていくことをお薦めいたします。
思春期の女の子のからだは大きく変化してゆきます。特にからだの変化は二次性徴といって、
・脂肪の蓄積:丸みをおびた体型になってゆく
・乳房の発達
・陰毛の発生
などが認めれらます。
乳房発育や陰毛発生の段階が5つの時期に分類されています。(タナーの分類)
参考までにお示しいたしますが、個人差などもありもし気になるようでしたら専門医にご相談ください。
陰毛発生の段階
第1期(PH1) 発毛なし(思春期前)
第2期(PH2) 長いやや着色した綿毛のような、まっすぐまたはわずかに縮れた毛が陰唇に沿ってまばらに発生
第3期(PH3) より色が濃く、あらくて縮れた毛が膣の上方にまばらに発生
第4期(PH4) 成人型発毛に近づくが、区域が小さい
第5期(PH5) 成人型の発毛
思春期の時期に限らず、頭痛・腹痛・めまい・朝なかなか起きれないなどの不定愁訴はつきものです。
しかし、思春期の子供に対してどうように接してあげていますか?
難しい年頃だから・・・で片付けていませんか?
思春期において不定愁訴を訴える患者様は結構おられます。
ところが、その中に
・貧血
・甲状腺機能異常
・起立性調節障害
・うつ病
など内科や精神疾患が隠れていることがあります。
また、女性の場合は月経発来があり、ホルモン環境の変化で月経前緊張症とよばれる女性特有の症状も見受けられます。
まず、お母様が良く症状を聞いてあげることです。そうすることで、同じ女性として自分を理解してくれる存在が身近にいるといことで精神的に安定し、症状も軽くなることもあります。
最近、朝食を食べずに登校する学生が増加しています。ある女子大学で食事の調査をしたところ、朝食を毎日摂っている学生が66%しかなかったそうです。
また、好き嫌いの増加、親も昔ほど干渉しない傾向があります。
朝礼で倒れる学生のかなりの割合で朝食を抜いている人がいるとも言われています。
朝食を食べている学生はそうでない学生より成績が良い、という報告もあるくらいです。
また、朝食抜きの生活を長く続けていると、肝機能障害・胃潰瘍・貧血・糖尿病などが多いとも言われています。
また、ダイエットのために朝食を抜く学生もいますが、かえって身体が飢餓状態になり、かえってまとめ食いの状態となり逆効果となります。
貧血は、子供の慢性的な病気の中で最も多く、そのの原因として最も多いのは鉄欠乏性貧血といわれるものです。
検査ではヘモグロビン(血色素)量の値で貧血の程度を評価してゆきます。女性では、12g/dl以下になると貧血と言われていますが、徐々に進行した場合は4~5g/dlになっても自覚症状がない場合があります。
みなさんもご存知の赤血球のなかにヘモグロビンがヘムという色素とグロビンというたんぱく質の形で存在しています。そしてこのヘムを構成しているのがポルフィリンというたんぱく質と鉄なのです。
ヘムは、肺で結合した酸素を体中に運搬するという重要な役割を担っています。鉄の体内での分布をみると、全体の55~60%がヘモグロビンに、10数%が酵素に、数%がミオグロビンに、そして残りは貯蔵鉄として蓄えられています。そして、出血などの場合にはいち早く貯蔵鉄から鉄が体に供給されて、貧血にならないようにしているのです。
このように鉄は体の中で重要な役割を果たしていますが、残念ながら食事からしか摂取できないのです。
1日に摂取する鉄の量は約10mgと言われていますが、吸収はその10分の1で1mg、排泄される鉄もまた1mgで均衡が保たれています。
しかし、偏食や出血、月経発来などで、鉄の摂取量が減少してり消費量が増加すると、体内の鉄も減ってしまい鉄欠乏症や鉄欠乏性貧血の状態になってゆきます。
特に、思春期の女子はからだが大きく変化してゆき、鉄の必要量が増加する時期に不規則な食生活や偏食、また月経が始まる時期が重なるためよけいに鉄欠乏が起こりやすいのです。
診断は血液検査で容易に出来ますし、ある程度進行すれば目の結膜や顔色、また動作時の動悸・息切れなどの自覚症状などで貧血を見つけることができます。
治療はなんといってもまず規則正しい食生活習慣を身につけること、また親が指導してあげることでしょう。
そして、鉄剤などの医薬品のほかにサプリメントなども利用していただくと良いと思います。
思春期に起きる自律神経失調症の一つに起立性調節障害(Orthostatic Disregulation : OD)という疾患があります。
この起立性調節障害というのは、寝ている状態から起き上がると血管の収縮などで血圧を維持したりする血管の調節が上手くいかずに、立ちくらみやめまいなど不定愁訴を訴えます。
ところが、この起立性調節障害の診断基準は、大症状といわれるものが不定愁訴そのものであり、正しく理解されず気分的なものとして片付けられてしまい、見逃されていることが非常に多いのです。
正常な人では、起き上がった際には、静脈系特に下半身の静脈が収縮して下半身に血液が貯まらないようにして、心臓に帰ってくる血液の量を適度に保つようになっています。
しかし起立性調節障害の人では、この調節が上手くいかず心臓に還ってくる血液量が減少し、頭などに行く血液が少なくなります。
すると、立ちくらみやめまい、動機・息切れがしたり、朝なかなか起きれない、などの症状として現れてくるのです。
今述べたような症状のお子様はおられませんか?
「学校に行きたいのに、身体がいうことをきかず行けない」状態と「学校にいきたくない」とは根本的に違っているのです。
もし、気になる症状があれば、起立性調節障害の可能性も否定できませんし、背後に貧血やうつ病などが隠されていることもありますので、そのままにしていてはいけません。
治療をすれば80%は直ると言われいます。
治療法は症状によって異なりますが、朝起き上がる前に昇圧剤を内服したり、自律神経のバランスを整えてくれる作用のある半夏白朮天麻湯という漢方薬などを内服します。
[大症状]
A.立ちくらみ、あるいはめまいを起こしやすい
B.立っていると気持ち悪くなる、ひどいと倒れる
C.入浴時、あるいはいやなことを見聞きすると気持ちが悪くなる
D.少し動くと動機、あるいは息切れがする
E.朝起きが悪く、午前中調子が悪い
[小症状]
a.顔色が青白い
b.食欲不振
c.強い腹痛を時々訴える
d.倦怠あるいは疲れやすい
e.頭痛
f.乗り物酔い
g.起立試験で脈圧の狭小化(16mmHg以上)
h.起立試験で収縮期血圧低下(21mmHg以上)
i.起立試験で脈拍数増加(21回/分以上)
j.起立試験で立位心電図のT1,T2の0.5mV以上の減高その他の変化
以上の症状のうち
★大症状1と小症状3以上
★大症状2と小症状1
★大症状3以上
の場合に起立性調節障害と診断します。
思春期やせ症は、摂食障害のひとつで神経性食欲不振症、拒食症とも呼ばれており、特に思春期少女に多く発症し、患者全体の95%が思春期・青年期の女性です。
思春期やせ症の原因・誘因は、学校での友達関係のトラブル・家庭・学校の成績などの問題もあり、最近では増加傾向にあります。
自分は病気であるという認識が薄く、自分から診察を受けにくることはほとんどありません。また痩せているにもかかわらず、活動的であることも特徴のひとつです。
思春期やせ症がこの時期に多く認められるのは、からだの変化に対して適応障害を起こしていることが挙げられます。大人になりたくないという大人への嫌悪感や、だんだんと丸みをおびてくるからだの変化から肥満への恐怖、そしてやせ願望が根底にあります。
程度がひどくなると、月経が止まります。さらに重症化すると卵巣や子宮の発育障害を来たし、脳の萎縮や精神症状も現れてきます。また突然死に至ることもあります。
思春期やせ症(神経性食欲不振症・拒食症)でみられる食行動は特異的なものがあり
・盗み食い
・過食や大食になったりもする
・極度にカロリー接種を嫌う
・食べたあとで意図的に吐いたり、下剤や利尿剤を使用する
などが挙げられます。
思春期やせ症の診断には、前述したこれらの異常行動が認められれば容易にできます。しかし、患者や家族がこれらのことを話さなければわからないのが現状であり、早期診断が遅れてしまうことがあります。
また、身体状態において最近では、思春期やせ症には高率に徐脈が合併しており、脈拍数60回/分以下では要注意であると言われています。
恥毛や腋毛は正常であり、うぶ毛が増加しています。また甲状腺や副腎機能は正常のことが多い。
まず食生活を正常にもどすように、バランスのとれた食事を心がけて栄養状態を改善することが第一です。
そして、母親や父親へのカウンセリングを実施し、本人への接し方を見直し、家庭における人間関係を再構築する必要があります。
本人においても、思春期におけるからだの変化や意味や月経のことなど、単に疾患だけにとどまらず広く女性の心と身体のことを説明したりする指導する健康教育が必要となります。
無月経の治療については、第1度無月経ならばプロゲステロンの周期的投与とクロミフェンの投与、第2度無月経ならばエストロゲンとプロゲステロンの周期的投与(カウフマン療法)とクロミフェンの投与を行います。
プロゲステロンの単独投与にて消腿性出血が起こった場合をいい、エストロゲンの子宮内膜に対する作用がある状態
プロゲステロンの単独投与では消腿性出血が起こらなかった場合をいい、エストロゲンの子宮内膜に対する作用がない状態
①標準体重の-20%以上の痩せ
②痩せが始まり、3ヶ月以上続いている
③30才以下の女性
④無月経
⑤食行動の異常(不食・多食・かくれ食い)
⑥体重に対する歪んだ考え(やせ願望)
⑦活動性の亢進
⑧病識が乏しい
⑨やせをきたす器質的疾患がない