最近では尿漏れ(尿失禁)や過活動膀胱など、一般的に認知されてきました。以前は恥ずかしいとか私だけが・・ということで一人で悩んでいました。実は30歳代の女性においても、さほど珍しくありません。ところが、治療となるとどうしても泌尿器科受診となり、男性の視線を気にしてしまいます。
そこで当クリニックでは、生き生きと生活していただきたいという思いから女性泌尿器科外来も実施しております。恥ずかしがらず、お気軽に相談にお越し下さい。
尿失禁(尿漏れ)とは、自分の意思に反してトイレ以外の所で尿が漏れてしまうことを言います。
この尿失禁、意外と20歳代、30歳代の女性でも、咳をしたり重たい物を持ったり、スポーツをしている時などに経験した方が多く、女性の5人に1人は尿失禁の経験があるといわれています。また40歳以上の女性では3人に1人であるといわれています。
この尿失禁は自分がどこまで思うかによって治療が行われるかどうかが決まるため、実際にはもっと潜在的に患者さまはいるのではないかといわれています。
この尿失禁の程度は人によってさまざまで、人によれば外出などに対して恐怖感を抱いてしまい生活の質(Quality of life:QOL)を低下させる原因となるため、治療が必要です。
ところが、いざ治療となると、泌尿器科は男性患者がほとんどで恥ずかしいし、内科もなかなか取り合ってくれないのが現状でした。産婦人科でも、不妊などには興味があってもなかなか積極的に治療しようという医師は少ないのが事実です。
近年女性の社会進出が進んで外で活躍される女性が増えてきたため、積極的に尿失禁の治療をしていこうと女性泌尿器外来(尿失禁外来)を開設けました。
当クリニックでは、低周波を利用した最新式の機器を導入し積極的に治療を行う所存です。どうぞお気軽に相談にお越しください。
女性に尿失禁が多い理由の一つに、女性の場合には男性と比較して尿道が短く、直線的に走っていることが挙げられます。 また、膀胱や尿道を支える骨盤の靭帯や骨盤底筋群が男性に比べて弱いことも挙げられます。
この骨盤の靭帯や骨盤底筋群は、妊娠・出産による負担によりさらに脆弱化してゆき、膀胱や尿道、子宮などが下のほうへ下がってきてしまうことが起こってきます。
また同時に骨盤内臓神経の機能低下を惹き起こし、尿意の鈍化から頻回に排尿する習慣がついてしまい、尿道括約筋の機能不全を起こしてしまうと考えられています。
こうなると、本来尿失禁しないような仕組みになっているものが上手く働か なくなり、尿失禁という症状として現れてくるのです。
また加齢に伴うホルモン分泌低下により女性生殖器の萎縮、骨盤底筋群の脆弱化に影響をおよぼし、更年期を契機に頻度が増加します。 これが、女性で一番多い「腹圧性尿失禁」の原因と考えられています。
当尿失禁は疾患名ではなく状態をあらわしているため、いろいろなタイプがあります。
腹圧性尿失禁
咳やくしゃみ、また重たいものを持ったとき、スポーツの時など、お腹に力が入った際に尿漏れが起こるタイプ。
尿失禁の約7割を占め、その大部分が女性です。
それは構造的に男性と違い尿道が短く直線的に走行していること、骨盤底筋群が妊娠・出産などの影響を受けて脆弱化してしまうこと、また肥満や便秘などが原因として挙げられます。
この場合、頻尿や尿意切迫などはなく、夜中も漏れることはありません。
切迫性尿失禁
尿意を感じてトイレに行こうとするが、我慢できずに途中で漏れてしまうタイプ。
寒冷や水の音などで尿意が誘発されることもあります。
一般的に頻尿も伴うことが多いのです。
原因は不明のことが多いのですが、膀胱が過剰に過敏な状態になっていたり、脳血管障害(脳梗塞・脳出血など)の後遺症として認められることもあります。
それは構造的に男性と違い尿道が短く直線的に走行していること、骨盤底筋群が妊娠・出産などの影響を受けて脆弱化してしまうこと、また肥満や便秘などが原因として挙げられます。
この場合、頻尿や尿意切迫などはなく、夜中も漏れることはありません。
最近では、強い尿意切迫感があり頻尿を訴える病態を過活動性膀胱といい、症例によっては切迫性尿失禁を伴うものもあります。
日本での過活動性膀胱の有病率は40歳以上で12.4%と報告されており、今後ますます治療の重要性が増しなってくることが予想されます。
溢流性尿失禁
何らかの原因で膀胱に尿がたまりすぎた結果、尿が漏れてくるタイプ。
大量の残尿を伴い、例えば子宮癌や直腸癌の手術後や糖尿病による膀胱神経障害でも起こるとされています。
機能性尿失禁
手足の機能に障害があったり、大脳機能障害がある場合には、排尿に関連した動作・判断が出来ずに尿が漏れてしまうタイプです。
手足の機能障害を惹き起こす疾患に罹患していたり、痴呆など脳の機能が障害・低下している場合に起こってきます。
尿失禁は命には直接関与しないものの、生活の質(quality of life:QOL)を低下させてしまう可能性があります。まずは日常生活の中から治療をしてゆきましょう。
当クリニックでは、最新の干渉低周波による頻尿・尿失禁治療機器を導入し積極的に治療をしてゆきます。
腹圧性尿失禁の治療
- 骨盤底筋体操 骨盤底筋体操は日常生活の中で、毎日繰り返し行うことが重要です。
これは、骨盤底筋を緊張させたりゆるめたりする運動をすることにより、筋肉が強化され症状の改善につながります。
ポイントは患者さま自身が筋肉を収縮させていることを実感して体操をすることです。ところが、例えば腹圧性尿失禁の人の約30%は骨盤底筋の収縮ができないとも言われています。
この場合、頻尿や尿意切迫などはなく、夜中も漏れることはありません。
- 薬物療法 対症療法として使用します。
骨盤底筋体操と併用して治療を行うことが多いです。
切迫性尿失禁の治療
- 膀胱訓練・骨盤底筋体操 膀胱訓練とは、切迫性尿失禁の治療法の一つで、膀胱容量を多くするための訓練です。トイレに行く間隔を少しずつ伸ばすことで膀胱容量を多くするようにします。日常生活の中で目標を持って実効できるため、排尿日誌などをつけておくと、自分でも評価が容易で便利です。
- 薬物療法 切迫性尿失禁には薬物治療を最初に行います。
第一選択薬は抗コリン剤と呼ばれており、膀胱の不随意収縮を抑制し、膀胱容量を増加させることで失禁を予防します。
抗コリン剤の副作用としては、口渇・便秘・排尿障害があります。
最近、これらの副作用が弱い薬剤が発売になりましたので、今までこれらの副作用でなかなか服用がしにくかった方でも比較的に内服しやすくなることが期待されています。
当クリニックでは、最新の干渉低周波治療器(ウロマスター)による頻尿・尿失禁治療法を導入し積極的に治療をしてゆきます。
治療ご希望の方は、お気軽に院長まで申しつけてください。
干渉低周波治療器による尿失禁・頻尿の治療
干渉低周波治療器(ウロマスター)は、干渉低周波電流による電気刺激により、尿失禁・頻尿を改善させることを目的にした医療機器による最新の治療方法です。
ふたつの異なる中周波を体内で交差するように流し、それらが干渉して低周波が生じ、神経・筋組織を刺激するのが原理です。
中周波電流による刺激は皮膚への刺激も少なくなっており、また組織への浸透性・到達性に優れており、生体に不快感を与えず効果的な刺激が可能となります。
電極を下腹部および下臀部両側に貼り付けることにより膀胱排尿筋・骨盤底筋を刺激し、尿失禁・頻尿を治療する装置です。
最大の利点は
・副作用がない
・痛みがない
・着衣のままで治療ができる
・治療は1回20分たらずで最初は週に2回程度行う
以上のように、とっても簡単に実施できます。
この治療は保険適応され、副作用等もなく8割以上の方が改善をみられる安全・簡単な最新の治療法です。
過活動膀胱という病名をお聞きになったことはありますでしょうか?
最近ではテレビなどでも取り上げられるようになりご存知の方も多いかと思います。
40歳以上の女性の8人に1人は過活動膀胱で悩んでいると言われています。
過活動膀胱とは、文字通り「膀胱が活動しすぎる状態であること」、つまり膀胱の筋肉が過敏となり膀胱内に尿がそれほど溜まっていないのに排尿筋が収縮し、急に尿意を催しります。そのため、十分に尿が出切らず残尿が多くなり、結局すぐにまた尿意を催す悪循環に陥り頻尿になる病気です。
泌尿器科でよく扱われている病気ですが、女性に多い病気ですがなかなか泌尿器科には行きずらい。
しかし、男性と違って女性の場合は精神的な要因が多いのです。なので
やはり女性のことを一番理解している産婦人科が精神的・肉体的両面からのサポートするととが一番良いと考える。
過活動膀胱の原因
過活動膀胱の原因はまだよくわかっていません。
良い言われているのは
・加齢変化
・精神的ストレス
・脳卒中などの後遺症で脳と膀胱間の神経回路が変調を来した場合
・出産や加齢によって、子宮、膀胱、尿道などを支えている骨盤底筋と呼ばれる筋肉の脆弱化
・何らかの原因で、溜まった尿の量を感知する膀胱の神経が過敏になっている
・自律神経の乱れ
などが考えられていますが、過活動膀胱の多くは原因が特定できません。
しかし、私の治療経験からすると、よくよくお話をお聴きすると、女性の場合は自律神経の乱れや精神的なストレスの影響が大きいことがわかります。
過活動膀胱の検査
過活動膀胱の検査として特別の物はありません。
重要なことは過活動膀胱以外の病気ではないことを確認するために、尿検査や超音波検査などを行います。
過活動膀胱の治療
過活動膀胱の治療としては
・日常の生活の工夫
・薬による治療
・干渉低周波電流による電気刺激(ウロマスター)
・膀胱訓練や骨盤底筋体操
などが挙げられます。
薬にかんしては、以前より尿失禁・神経因性膀胱の治療薬は沢山ありましたが、過活動膀胱においても有効でり、また最近でも新薬が開発され臨床で使われていることから、上手に薬を使用することで辛い症状から開放される患者様がたくさんおられます。
そうすることで、生活の質(Quolity of Life: QOL)が向上し、元気でいきいきした生活を送れるようになり、夜もゆっくりと眠れるようになります。
歳のせいとあきらめずに、一人で悩まずに是非気軽に相談してください。