愛和レディースクリニック・伊丹市・産婦人科

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子宮内膜症(病態・症状)

子宮内膜症(病態・症状)

子宮内膜症(病態・症状)最近、子宮内膜症で悩まれる女性が増加しています。
不妊の原因になったり、月経困難症や過多月経など日常生活にも支障をきたす疾患ですが、なかなか有効な治療法がないのも現実です。

当院では、できだけ漢方など自然な形での症状緩和を目指しています。
一人で悩まずに、お気軽にご相談ください。

子宮内膜症の病態子宮内膜症の症状

子宮内膜症の病態

子宮内膜症(endometriosis)とは、子宮内膜が子宮内膜以外の所つまり子宮の内腔以外のところに発生し増殖する疾患です。
子宮内膜症は特徴的で、良性疾患であるにもかかわらず、増殖をし周囲の組織に浸潤し癒着を起こしてゆきます。
ただし、ここ10年ほど前から子宮内膜症性嚢胞(子宮内膜症が原因の卵巣のう腫:チョコレート嚢胞)の悪性変化が指摘されてきており注意が必要です。

子宮内膜症には、内子宮内膜症といって子宮体部筋層に発生するタイプ(子宮腺筋症)と外子宮内膜症といい子宮以外の臓器、例えば卵巣などに病変(チョコレート嚢胞)を作っているタイプのものをいいます。

★好発年齢
子宮内膜症は生殖年齢層に発症しやすく、エストロゲンの分泌が低下してくる40歳台になってくると発生頻度は低下傾向を示します。
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子宮内膜症はどのようにできるの?

実は、子宮内膜症がいったいどのようにしてできあがってくるのかまだ定説はありません。
現在数種類の仮説が言われていますが、有力視されている説が以下の2つなのですが、結論は得られていません。

☆子宮内膜移植説
卵管を通して月経血が逆流し、月経血中の子宮内膜細胞が骨盤内で着床してそこでホルモンに反応することにより子宮
膜症が発生するという説です。

☆体腔上皮化生説
腹膜などに存在する未分化な細胞が何らかの刺激を受けて子宮内膜細胞に変化してゆくという説です。


子宮内膜症の悪性化

今までは、子宮内膜症とくに卵巣子宮内膜症(チョコレート嚢胞)は良性腫瘍だから経過観察でよいとしていました。
ところが最近、卵巣子宮内膜症から卵巣癌が発生することが報告されてきました。国内でもそれを踏まえて疫学調査がなされましたが、その特徴としては、
●卵巣子宮内膜症性嚢胞から発癌した組織型に一定の傾向がある
●卵巣子宮内膜症性嚢胞から発生した卵巣癌について
 ・20歳代はすべて10cm以上
 ・30歳代はほとんどが10cm以上
 ・40歳台、50歳代では6cm以下のものは癌化した例がなかった

これらのことから、20歳代で10cm以上をこえるものは癌化の可能性を十分考慮しなければいけないことになります。
また、40歳台以上で6cm以上の嚢胞は悪性を念頭に治療方針を立てないといけないことになります。

以上、最近の考え方は以前とかなり変わってきておりますので注意が必要であるとともに、きちんと説明していただける療機関での治療をお勧めいたします。
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子宮内膜症の症状

子宮内膜症(endometriosis)の3大症状は
・月経痛
・骨盤痛
・不妊症
がよく言われています。
子宮内膜症といえば月経困難症が一番に思い起こされますが、不妊の原因としてもクローズアップされてきています。

これ以外にも、
レバー状の塊、腰痛、排便痛、腹部膨満、過多月経、性交痛など数え切れないくらいあります。

子宮内膜症における痛みの原因

1.子宮内膜症性腫瘤の増大による痛み
卵巣子宮内膜症性腫瘤では月経周期による変化で腫瘤の増大が起こり、疼痛が増強したり、時には破裂して急性腹症として救急対応が必要なこともあります。

2.周辺組織の癒着
子宮内膜症の特徴の一つに周囲との癒着を形成してゆくことが知られています。そのため臓器同士が引きつれたりすることから、骨盤痛などが発生するといわれています。

3.プロスタグランディンの関与
子宮内膜ではプロスタグランディンといわれる化学物質が炎症やその他のいろいろな生体反応に関わっています。このプロスタグランディンは平滑筋の収縮作用や血管拡張作用、疼痛を増強させる作用などを持っています。
子宮内膜症組織では正常な子宮内膜に比べてプロスタグランディンの分泌が盛んで、そのために
・子宮筋の過度の収縮による痛み
・収縮による血管抵抗の増大による血流不足で虚血状態となり、そのための疼痛が出現してくる
・神経末端での疼痛閾値の低下
などが起こり、痛みの増強が自覚されます。
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